色々買ってしまったムック本等もつらつらご紹介します。

④ 1



紹介するのは、


ジ・アート・オブ 思い出のマーニー 徳間書店刊

思い出のマーニー (ロマンアルバム) アニメージュ編集部 徳間書店刊

思い出のマーニー ビジュアルガイド KADOKAWA/角川書店刊

MOE (モエ) 2014年 09月号 [雑誌] 白泉社刊

思い出のマーニー×種田陽平展 オフィシャルガイド KADOKAWA/角川書店刊


の五冊です。
 


「思い出のマーニー」
映画版関連本レビュー







ジ・アート・オブ 思い出のマーニー (ジブリTHE ARTシリーズ)
ジ・アート・オブ 思い出のマーニー (ジブリTHE ARTシリーズ) [ムック]
徳間書店
2014-07-31





スタジオジブリ責任編集による「思い出のマーニー」解説本。
 
内容はまさに”アート”だと感じさせられました。
美術ファン、大のジブリファンにはたまらん内容の本ではないでしょうか。


米林宏昌監督による構想段階のプロットや、設定画、ラフスケッチ、イメージボード、キャラクターデザインの変遷(脇役キャラなどの初期デザインはかなりリアルに描かれていて、『へぇ~!』と思いました)、このあたり、どのように作品世界が固まっていったのかが解って非常に面白いです。さらに、美術スタッフによる美しい背景美術も多数掲載。主要作画スタッフのインタビュー、解説、巻末にはアフレコ台本。 とにかく載せられている情報の種類・数は非常に多く、資料的価値も高いと思います。
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米林監督による初期イメージスケッチ。こういう資料がいっぱい



もう、これ一冊があれば他には何もいらない。。。とも言えそうですが、ただし、この本は文字通り『アート』の本だと思います。

あくまで、「思い出のマーニー」という映画の中で描かれた『絵』が主体。

派手な、興味を誘うような内容(例えば、フィルムコミック的なあらすじとか、主演を務めた高月紗良さん・有村架純さんの密着取材とか、ジブリスタジオの仕事場の紹介とか!)はナシ。


④ 観ろ


と、言われているかのよう。



インタビューも、プロデューサーさんとか、演出さん、脚本家さん、制作進行さんとか。。。そういう作画以外の制作の人のインタビューはありません。

載っている背景美術の数の多さを見ても、画集としての性格も強いのではないでしょうか。あくまで美術好きの人、ジブリアニメが大好きな人にはとても良い本だと言えます。

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背景美術もいっぱい載ってます


だから、「なんかブログのネタになりそうな制作秘話とか載っていないか。。。」「誰も知らないようなネタはないか。。。」などという、邪(ヨコシマ)な考えの人間には向いていないかもしれません。
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「思い出のマーニー」は『アート』!です。








思い出のマーニー (ロマンアルバム)
思い出のマーニー (ロマンアルバム) [ムック]
アニメージュ編集部
徳間書店
2014-08-11




アニメージュ編集部による「思い出のマーニー」ムック本。
「思い出のマーニー」の世界をより深く知るための情報が幅広く収められている良い本だと思います。
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内容としては、あらすじを解説するフィルムストーリー(要所要所に演出助手の仲澤慎太郎さんの解説が入り、制作秘話などがわかって面白いです)、制作スタッフのインタビュー(監督、プロデューサー、脚本、作画監督、美術監督。。。。あと、動画チェックさんとか色指定さんなど、かなり大勢のインタビュー!)、制作初期、宮崎駿さんから提示された作品イメージの話とか、序盤のシーン、杏奈が喘息の発作を起こした理由などの、いくつかのシーンの演出意図もわかって『そうだったのか。。。!』という感じになります。

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そのほか、出演声優さんのインタビュー、CGを使った撮影処理の解説などなど、ひろく作品世界の情報をカバーしています。


個人的にうれしいのは、主な原画マンさん(大塚伸治さん、近藤勝也さん、小西賢一さん、浜洲英喜さん、沖浦啓之さん(!)など)の方々が描いた原画が作画監督の安藤雅司さんの解説とともに載せられている点。

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原画はイイですね~。フィルムになるとどうしても消えてしまう線の微妙なタッチを垣間見ることが出来ます。マンガで言えば生原稿を見ている感じ。これだけでも買う価値アリです(個人的に)。









思い出のマーニー ビジュアルガイド
思い出のマーニー ビジュアルガイド
スタジオジブリ
KADOKAWA/角川書店
2014-07-19




先ほど紹介した「思い出のマーニー (ロマンアルバム)」と同じ解説ムック本なので、全体的な構成は(あらすじのビジュアルストーリー、スタッフのインタビュー、出演声優さんのインタビュー。。。などなど)よく似ています。


特徴として、コチラは出演声優さんのインタビューなど、エンタメジャンル的な情報が充実しています。 
マーニーのお父さんや十一(といち)などの脇役、チョイ役の声を、森崎博之さん、安田顕さん、戸次重幸さん、大泉洋さん、音尾琢真さんらの所属する演劇ユニット TEAM NACKSの方々が アフレコしていたのは、この本で初めて知りました(TEAM NACKS全員のインタビューも収められています)。
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でも、ワタシとしては、どうせだったら「思い出のマーニー」 一番のインパクトキャラ『角屋信子』役を演じた頼経明子さん(「昔は乙女、今は太目」のファンケルのCMに出ていた女優さん)のインタビューもあれば完璧だったのに。。。
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そのほか、日本テレビ系列の番組、「1億人の大質問!? 笑ってコラえて!」の中のワンコーナー、「東小金井ジブリ支局」の支局員スタッフさんのインタビュー記事も掲載されています。私は「笑ってコラえて」見てないのでよく知りませんが。
 


しかし、どうも個人的に感じるのは、全体として、スタッフのインタビュー、しめっ地屋敷の解説など、解説本として、必要にして十分な情報は揃っているのですが、何というか内容が総花的と言うのか、これといった特徴がないような。。。

アニメファンとしては、もうちょっと突っ込んだ解説がほしかったような。。。気もしました。




声優さん、テレビなど、エンタメ的・ビジュアル的な部分に焦点を当てる編集で差別化をはかっているのかな~、と感じつつ読んでいましたが、ハタと気付きました。
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実際、装丁も美しいですし、見た目重視。

そうか、これはこれでいいのだ。。。。と、なんだかひとり納得しました。



アニメファンではない、しかしジブリファン。そういう方には取っつきやすい万人向けの解説本だと思います。










MOE (モエ) 2014年 09月号
MOE (モエ) 2014年 09月号 [雑誌]
白泉社
2014-08-02


1979年より発刊されている絵本雑誌による「思い出のマーニー」巻頭特集。
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雑誌の特集記事なので、分量は多くはないですが、原作の「思い出のマーニー」の舞台となっているイギリスの『バーナム・オーバリー』についての現地取材が載っているということで、しめっ地屋敷の情報が知りたいと思い買いました。



内容は、あらすじを通しての作品の解説、スタッフ(米林宏昌監督、種田陽平美術監督、主題歌を担当したプリシラ・アーンさん)や声優さん(主演の高月紗良さん、有村架純さん)のインタビュー記事、そして物語の舞台であるイギリスノーフォーク州バーナム・オーバリーの現地取材、など。

さすが絵本や児童文学を扱う雑誌、あらすじの解説はまさに絵本のような語り口の文章。
スッと頭に入って来て、なんだか初めて読んだお話のごとく「思い出のマーニー面白い!」などと思ってしましました。


「バーナム・オーバリー」の取材は、作者のジョーン・G・ロビンソン氏のご長女、デボラ・シェパードさんのインタビューが中心。デボラさんの、母親、そして母の創った作品への愛情が深く感じられる内容になっています。


私の希望する、しめっ地屋敷の元になった穀物倉庫などの情報はちょい少なめでした。
が、しかし、『児童文学 思い出のマーニー』という視点から思い出のマーニーが語られているので、これまで紹介したどの解説本とも違う「思い出のマーニー」の側面を知ることが出来て、実に面白いです。









思い出のマーニー×種田陽平展 オフィシャルガイド
思い出のマーニー×種田陽平展 オフィシャルガイド [単行本]
種田 陽平
KADOKAWA/角川書店
2014-08-01






実写映画界で活躍し、「思い出のマーニー」で美術監督を務めた種田陽平さんの仕事ぶりがわかる本。

映画「思い出のマーニー」の背景美術に関して、なにか情報は得られないかと思って買いました。



内容は、江戸東京博物館で行われた、思い出のマーニーで制作された背景美術をセットのように三次元で再現するという、「思い出のマーニー×種田陽平展」の様子、美術カットを通しての作品世界の紹介、舞台となる”しめっ地屋敷”の設計図、知られざる細かい設定など掲載。
巻末の種田陽平さんの仕事ぶりの取材、ロングインタビューで、種田さんの”映画美術”という表現に対する考え方を知ることが出来ます。


思い出のマーニーの映画製作そのものの情報はあまりないです。
まさにこの本は展覧会に行った人が情報を補完するのには最適。もしくは種田陽平という人をよく知りたい人向けの本だと思います。



ただ、『思い出のマーニー×種田陽平展 オフィシャルガイド』であるからには、もうちょっと展覧会の情報をメインに多くしてもよかったのでは。。。という気もします。