「人か!熊か!」




三毛別羆事件 5-21




三毛別羆事件 5-22



氷橋付近を警戒中だった熊狩り隊員から、昼間は六本だったヤナギの木の切り株が、今見てみるとどう見ても一本多い、熊が川を渡るために様子を窺っているようにも見える。という報告が本部に入ったのでした。



三毛別羆事件 5-23


しかし、その影は付近を警戒中の熊狩り隊員の人影の可能性もあり、かといって本物の羆だった場合は声をかけて確認すれば逃げられるかもしれない。




どうするどうする、、、と思案していると、



三毛別羆事件 5-24






どうしたものかと迷っていると、雪や柴で作りかけた氷橋を、ミシミシと踏みしめる異様な物音がした。もはや疑う余地はない。


文春文庫刊 木村盛武著『慟哭の谷 北海道三毛別・史上最悪のヒグマ襲撃事件』より




「人か!熊か!」
確認のために声をかけても反応は無い。
次の瞬間熊狩り隊の
十数丁の銃が火を吹きました。


三毛別羆事件 5-26
↑ 講談社漫画文庫『野性伝説 羆風』下巻 p221 より





三毛別羆事件 5-27



三毛別羆事件 5-28
↑ 『野性伝説 羆風』下巻 p222 より




この瞬間、黒い塊は川岸をひとっ飛びに、もと来た雪原を飛ぶように走り去った。そのすばしっこさに、並みいる隊員は、あれよあれよと見つめるばかりであった。


木村盛武著『慟哭の谷』より







三毛別羆事件 5-30




翌朝羆が目撃された地点を熊狩り隊が捜索したところ——
羆の足跡、そして血痕が見つかり、袈裟懸け羆が被弾したであろう事が判明したのでした。



太田家で最初の惨劇が起こって四日、三度に渡り羆と遭遇しながらいずれも攻撃を加える事もなく取り逃がし続けていたのですが、初めて一定のダメージを加えることは出来たのでした。




三毛別羆事件 5-31
Googleマップより



「射止橋」の由来
巨羆射殺で最初の被弾地点がこの橋の付近であり、記念して「射止橋」と名付けられた







この事件の潮目が変わり、ついには小説「羆風」の言う所の『野性の裁き』が下った瞬間だったと、この事実は表しているように思いました。







 粉雪を舞わせていた雲が切れて、わずかにのぞいた青空から瞬間的に太陽は光の腕を伸ばして傷ついた王者の背毛を優しくなでた。
 袈裟懸けは、このとき野性の裁断が下ったことを悟った。


戸川幸夫著『羆風』より








ー魔獣の最期ー




十二月十四日、いよいよ敵を討つチャンスだと、熊狩り隊はその日早くから大挙して討伐に出発。
足跡、それに付随する血痕から羆はかなり衰弱しているのが分かりました。


三毛別羆事件 5-34
↑ 『野性伝説 羆風』下巻 p228 より







三毛別羆事件 5-35




三毛別羆事件 5-36










三毛別羆事件 5-37







三毛別羆事件 5-38






5-③ につづく!